Sniffnet を使うと、自分のパソコンがどこの誰と、どのアプリで、どれだけ通信しているかを画面で確かめられます。操作はボタンと一覧が中心で、コマンドを覚える必要はありません。
この記事は、自分のパソコンの通信を一度のぞいてみたい人に向けています。読み終えると、次のことができるようになります。
- Sniffnet を入れて、自分のネットワークアダプターの通信を表示する
- 通信量の多い相手やアプリを見つける
- 決めた条件で通知を出す
Sniffnet でできること
公式の README と Wiki には、主に次の機能が載っています。
- 通信相手ごとに、国(国旗)、ドメイン名、AS 名(相手のネットワークを運用する組織)と通信量を一覧にする
- 通信しているプログラムの名前とアイコンを、量と一緒に表示する
- 通信量の推移をリアルタイムのグラフで表示する
- 6000 種類以上のサービスやプロトコルを見分ける
- 1 秒あたりの通信量がしきい値を超えたとき、お気に入りの相手と通信したとき、ブラックリストの IP と通信したときに通知する
- 記録した通信を PCAP ファイルに書き出す。保存済みの PCAP ファイル(
.pcap、.pcapng、.cap)を読み込む
外と行う通信
国と AS 名は、アプリに組み込まれた MaxMind の GeoLite2 データベース(無料版)で調べます。IP アドレスを 1 件ずつ外のサービスに問い合わせるわけではありません。一方で、次の通信は外へ出ます。
- ドメイン名を出すための逆引き DNS の問い合わせ
- 新しい版があるかの確認。ソースコードでは GitHub の API に問い合わせています
- リモート通知を有効にしたときの送信。指定した URL に、通知の内容を JSON で POST します
安全な試し方:自分のパソコンで見る
対象は、自分のパソコンと自分が管理するネットワークに限ってください。
- 公式サイトのダウンロードページか GitHub Releases から、使っている OS 用のパッケージを入手します。
- OS ごとの準備をします(次の表)。
- Sniffnet を起動し、最初の画面の左側でネットワークアダプターを選びます。普段は、システムが主に使っているアダプターが最初から選ばれています。
- 通信を始めると、相手のホストとプログラムが一覧に出ます。並び順は、最後に見えた時刻順と通信量順を切り替えられます。
| OS | 必要な準備 |
|---|---|
| Windows | Npcap を入れます。インストール時に「Install Npcap in WinPcap API-compatible Mode」にチェックを入れます。Sniffnet のインストーラーの最後に、Npcap のサイトを開くチェックボックスがあります |
| macOS | 追加のソフトは要りません。管理者権限で起動します |
| Linux | libpcap などのパッケージを入れます。root 以外で動かすときは、実行ファイルに権限を付けます(例:sudo setcap cap_net_raw,cap_net_admin=eip <your/Sniffnet/executable/path>)。AppImage 版は sudo -E sniffnet のように sudo で起動します |
Homebrew(brew install sniffnet)、Scoop、cargo install sniffnet --locked、Linux 向けの Docker イメージなど、ほかの入れ方は Wiki の「Alternative installation methods」にあります。
主な使い方
| やりたいこと | 操作 |
|---|---|
| 特定の通信だけ見る | 最初の画面のフィルタ欄に BPF(Berkeley Packet Filter)の式を書きます |
| 気になる相手を追う | ホストやプログラムの星アイコンでお気に入りにします |
| 通信量の急増に気づく | 設定の Notifications タブで、しきい値(ビット、バイト、パケット数)を決めて通知を有効にします。最初はすべての通知がオフです |
| 怪しい IP との通信に気づく | 設定の General タブで、1 行に 1 つの IP アドレスか CIDR を書いたファイルをブラックリストとして読み込みます |
| 後で詳しく調べる | 最初の画面で PCAP の書き出しにチェックを入れます。ファイル名の初期値は sniffnet.pcap、保存先の初期値はホームディレクトリです |
Wireshark との違い
Sniffnet の FAQ は、Sniffnet を Wireshark より軽く使いやすいツールとし、機能の数は Wireshark の方がずっと多いと説明しています。
| Sniffnet | Wireshark | |
|---|---|---|
| 見えるもの | 相手ごと・アプリごとの通信量、国、ドメイン | パケット 1 つずつの中身を層ごとに |
| パケットの中身 | 画面では見られない | 読める |
| PCAP ファイル | 書き出しと読み込みができる | 開いて詳しく読める |
まず Sniffnet で全体の様子をつかみ、気になる通信を PCAP に書き出して Wireshark で読む、という組み合わせもできます。
注意点
- 他人の通信を、本人や管理者の許可なく見ないでください。共用のパソコンや会社のネットワークで使うときは、管理者に確認してください。
- 書き出した PCAP ファイルには、通信の中身も暗号化されずに保存されます。公式の脅威モデルもこの点を挙げています。人に渡す前に中身を確かめてください。
- PCAP の書き出しは、流れた通信と同じだけのデータを書き込みます。Wiki は、ディスクがすぐ埋まることがあるので必要なときだけ有効にするよう注意しています。
- リモート通知を使うと、通信相手の国やドメインなどの情報が指定先に送られます。送り先は自分が管理するものにしてください。
次に読む
出典
- 公式リポジトリ(README)github.com/GyulyVGC/sniffnet
- Cargo.toml(ライセンスの記載)github.com/GyulyVGC/sniffnet/blob/main/Cargo.toml
- Wiki:必要な依存ソフトgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Required-dependencies
- Wiki:Windows へのインストールgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Install-on-Windows
- Wiki:ほかのインストール方法github.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Alternative-installation-methods
- Wiki:データの取得元の選び方github.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Data-source-selection
- Wiki:フィルタの設定github.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Filters-configuration
- Wiki:PCAP ファイルの書き出しgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/PCAP-file-export
- Wiki:通信相手のホストgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Network-hosts
- Wiki:内蔵データベースと独自データベースgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Custom-databases
- Wiki:プログラムgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Programs
- Wiki:通知github.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Notifications
- Wiki:リモート通知github.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/Remote-notifications
- Wiki:FAQgithub.com/GyulyVGC/sniffnet/wiki/FAQ
- 脅威モデル(THREAT_MODEL.md)github.com/GyulyVGC/sniffnet/blob/main/THREAT_MODEL.md
- ソースコード:更新の確認(check_updates.rs)github.com/GyulyVGC/sniffnet/blob/main/src/utils/check_updates.rs
確認日 2026-10-25
似たツール
Wireshark
影響範囲 外に届くネットワークを流れるパケットを記録し、中身をプロトコルごとに分解して見せるパケットアナライザー。
- 用途
- 学習
- 形式
- デスクトップアプリ
- 難易度
- 初級
- ライセンス
- 条件つきGPL-2.0
- 分類
- ネットワーク/フォレンジック